イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「はぁっ?当たり前だろーが。
前に一度市販のを買った事があるがアレは、ダメだ!
不味い。やはり作るなら
ちゃんとしたやつを食べさせてやりたいからな」
そう言うとコクリと頷く睦月君。
す、凄い。
私なんかより、明らかに女子力の高い先生。
ホワイトソースなんて……手作りした事がない。
いや、それ以前に作り方も知らないし
「あの…もし良かったら弟子にしてください!!」
こんな凄い人に教えてもらえば
間違いなく料理上手になれるだろう。
しかし
「はぁっ!?」と言う顔をされる。
ダメだろうか……?
そうしたら、またもやデコピンされる。
だ、だから痛いです…ってば。
「お前なぁ……惚れさせると言っていた奴が
なに料理を習おうとしているんだよ?
普通…そこは、私に作らせて下さいではないのか?」
呆れたように言われた。
(うっ……)
それを言われるとキツい。
確かに……そうなのだけど
だってホワイトソースの作り方なんて知らないし
「だって……作った事なんてありませんし
作り方も…その…分かりませんし」
おずおずしながらも理由を話した。
すると
呆れたようにため息を吐かれた。
ガーン!!
呆れられてしまった。
もしかしなくても…本来なら
女子力アピールや惚れてもらう
チャンスだったのかも知れない。
自分の無能さと女子力の低さに
落ち込んでしまった。
こんな事なら、料理教室でも
通っておくべきだったわ。
そうすると聞いていた睦月君が
「……大丈夫だよ。僕も作れないから」
そう言って励ましてくれた。
睦月君……。