イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
波乱の教育係!?
それから春になり
私と先生の関係は、微妙なままなのだが
火事がダメになったアパートが無事に修復した。
そろそろ居候も終わるのか……と寂しく
思っていたら
ある話が私のもとに飛び込んできた。
「えぇっ!?
私が新人の教育係ですか!?」
なんと春から新人社員の教育係を
受け持つことになってしまった。
自分のことでも精一杯なのに
そんなの無理ですよ!?
「あぁ、前よりも随分とマシに
なってきたようだしな。
そろそろお前にも後輩をつけていいと思ってな」
編集長がそう言ってくるではないか。
「そんなの無理ですよ!?
まだまだ自分のことでも精一杯で
後輩の面倒だなんてとても、とても……」
もし失敗でもしたら後輩のいい笑い者だ。
「これもいい経験だ。
しばらくお前について蓮見先生の担当を
やってもらう。いいか?
くれぐれも蓮見先生のご迷惑にならないように
気を付けるように」
そう言って忠告される。
そう思うのなら
教育係に指名しないで下さい!!
あぁ、どうしよう。
自信なんかないわ。
新人社員なんて
左右も分からない編集者なりたての子達だ。
つまり教育の仕方によってその子の今後の人生を
左右しかねない。責任重大だ。
うぅっ……どうしよう。
その後。
先生の自宅に行くとその事を話した。
「はぁっ?新人社員の教育係だと!?
お前がか……」
聞くなりかなり驚かれた。
「……はい。
しばらくの間、私と一緒に先生の担当を
することになりそうです」
そりゃあ、驚きますよね。
自分もびっくりしましたし。