イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「あ、これ。つまらない物ですが、どうぞ。
ずっと夢まで見ていた蓮見先生の担当になれて
もう嬉しくて……これからよろしくお願いします」

雪城さんは、今までにない
飛びっきりの笑顔だった。

よほど先生に会いたかったのが分かるぐらいの
勢いだった。

何だが見ていて不安になってくる。

大丈夫だろうか?

部屋に入るとお昼のために
オムライスを作ろうとする。

すると雪城さんが

「あ、小野木先輩。
お昼なら私が作りますよ!」

そう言ってきた。

「えっ?いいわよ……雪城さんは、座っていて」

来て早々と作らす訳には行かない。

しかし雪城さんは、

「先輩。遠慮しないで下さい。
こう見えても料理や家事なら得意なんですよ!
あ、エプロンお借りしますね」

笑顔で言うとさっさと支度を始める。

そして作り始めるのだが
確かに得意だと言うだけあって手際がいい。

私より形が良くて美味しそうな
半熟オムライスを
あっという間に作ってしまった。

「凄い……普段からやってるの?」

「えぇ、このぐらいなら出来て当たり前ですよ。
ほら、ケチャップで可愛く仕上げてみました」

オムライスの上にケチャップでハートマークを
書く雪城さん。

ガーン!!

私もオムライス作るのだが
形が上手く出来なくてたまに失敗する。

睦月君は、美味しいと食べてくれるけど……。

「さぁ、食べましょう。
私、先生を呼んで来ますね」

笑顔で言うと行ってしまう雪城さん。

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