イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
確かに私は、雪城さんに比べたら
要領が悪いだろう。
先輩なのだから、しっかりしないと
いけないと思っているのだけど……。
「小野木先輩。
これ私の代わりにお願いします」
えっ!?
「あの……これは、何?」
何故かたくさんの書類を渡される。
「これをまとめて下さい。
私が頼まれた仕事なんですけど私
今他の仕事で忙しくて。
先輩なら担当以外大した仕事もして
ないみたいですから余裕で出来ますよね?」
そう言ってくるではないか。
「えっ……いや、私も忙しいのだけど」
「じゃあ、お願いしますね!!」
ニコニコしながら言ってしまった。
そんな……。
パソコンで資料をまとめるが
こんなにたくさんあるとすぐに終わらない。
あ、もうこんな時間!?
どうしよう。
そろそろ切り上げないと睦月君の
幼稚園のお迎えと先生のところに行けない。
焦っていると雪城さんがこちらに来た。
「先輩。まだ終わらないのですか?」
「うん。もう少しなんだけど……」
本当は、半分ぐらいしか終わっていない。
もしかして手伝ってくれるのだろうか?