イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
それから再来年の春。
桜の季節になり
今日は、幼稚園の卒園式か行われた。
睦月君は、4月から小学生になる。
早いものだ。
あんなに不安だった先生の担当になってから
2年が過ぎようとしている。
今だと家族のような生活を送っていた。
園長先生に名前を呼ばれると
1人1人返事をしている園児達。
もちろん睦月君だけではなく
拓馬君と茉莉華ちゃんもだ。
子供の成長は、早いものだ。
「早いですよねぇ~睦月君が
もう小学生ですよ」
先生に、こっそりと話しかけた。
私も参加してもいいと言ってもらえたので
卒園式に参加する事が出来た。
嬉しい。
「そうだな。」
先生は、それだけ応えた。
相変わらずぶっきらぼうな先生。
でも本当は、知っている。
睦月君の成長を何より喜んでいるのは、
先生なんだって。
きっと今も嬉しいに違いない。
フフッ…素直ではないわね。
クスクスと笑っていると
不機嫌になる先生だった。
「……何笑っているんだよ?」
ギロッと睨み付けられる。
「いえ……何でもありません」
いけない……笑いが止まらない。
クスクスと笑っていると
「おい。いつまでも笑っているんだ。
恥ずかしいだろーが!?」
そう言われてしまう。