イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「やっぱり。好きなのね?
涼花は、昔から分かりやすいのよね。
顔や態度に出やすいから」

お母さんは、呆れたように言ってきた。

えっ?そうなの…?

自分の頬を思わず触った。

するとお母さんが

「好きになるのは、あなたの自由だけど
私は、あまり勧められないわね。
相手に子供が居るなら、なおさらだわ。
人懐っこい子ならいいけど…大きくなるほど
反抗的になったりするから大変になるわよ?
しかも血が繋がらないとなると余計に」

ため息混じりに言ってくる。

「なっ!?睦月君は、
とても聞き分けのいい優しい子だから
反抗的にならないわ!!」

むしろたびたび助けてもらってばかりだ。

「……それだけではないわ。
喧嘩したりお互い嫌いになって
別れたとかではないのなら
相手が振り向いてくれたとしても大変よ?
死別とかだと…前の奥さんの影響とか強いから
比べられたり、未練があったりするから
あなたが辛い思いをするだけよ?」

母の言葉は、私にグサグサと胸に突き刺さる。

奥さんに未練…。

まったく耳に痛い話だ。

「そ、そんなの……分かっているもん」

「どうだか?あなたは、
お父さんに似て少し抜けている所があるから
心配だわ。
とにかく交際したいと思っているのなら
少し考え直す事ね?」

お母さんにそう言われ何だか
険悪なムードになる。

まだ交際が出来るか分からないのに
そんな言い方しなくてもいいのに。

先生の自宅マンションに着くとタクシーから降りる。
私は、借りた鍵を使いオートロックを開けた。

「あら、いいマンションに住んでいる方なのね?」

お母さんがボソッと呟いた。

「先生は、有名なベストセラー作家
蓮見真夜先生だもん」

話して無かったけど

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