イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「せ、先生……どうしてしまったのですか?
何だか先生ではないみたいで…気持ちが悪い」
「…お前は、少し黙っておけ」
笑顔でバッサリと切り捨てられる。
ガーン!!
「それよりお上がり下さい。
狭い上に汚くて申し訳ないのですが
ゆっくりして下さい」
先生は、笑顔で母を家の中に入れる。
「えっと…すみません。
あ、これ良かったら食べて下さい。
後でこの事を聞かされたので
娘用で申し訳ないのですが」
戸惑いながらもお母さんは、
先生に手土産を渡した。
「すみません。気を遣わなくても良かったのに
でも、せっかくなので後で美味しく頂きます」
笑顔で、それを受けとる先生。
リビングの方を通すと
先生は、キッチンでお茶を淹れる。
私も手伝うことに
「あの…すみませんでした。
色々と…その、気を遣わしてしまって」
「あぁ、まったくだ!」
えっ?
先生を見ると不機嫌な表情になっていた。
あの笑顔が嘘のように
ゲッ!!
怖い…何だか怒らしてしまっている!?
「何で俺がお前の親に
愛想を振りまかないとならねぇーんだ!?
短い間だし、睦月が
『愛想を振り向かないと…パパ嫌われちゃうよ?』と
言うから仕方がなくやっているのに」
「あー慣れない笑顔を使ったから
全身が鳥肌が立った。
チッ…後で覚えていろよ。小野木」
舌打ちをしながら言われる。