イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
すると睦月君は、そのまま向こうに行ってしまう。
「あ、ちょっと…睦月君!?」
私は、慌てて追いかけた。
睦月君は、お母さんの所に行くと
自分もソファーによじ登り座る。
しかも隣に…。
「あらあら。私の所に来てくれたのね。
嬉しいわ。睦月君は、
いつも何をして遊んでいるのかしら?」
お母さんが笑顔で質問してきた。
もちろん無言のまま
お母さんを見つめる睦月君。
「…………。」
「お母さん。睦月君は、
普段ほとんど話さない子なのよ!?
長い話をするのが嫌いな性格で
いつもYESかNOで応えられる質問か
ジェスチャーで会話するの」
私は、慌てて説明した。
「えっ?でも、さっき自己紹介してくれたし
会話が出来たじゃない。障害でもあるの?」
「ううん。障害ではなくて…性格の問題なの。
無口で、大人しい子だから…その…」
どう説明したら分かってもらえるかしら?
戸惑っていると先生が
「コイツは、俺に似て口数の少ない奴なんです」
お茶とお茶菓子を持ってこちらに来た。
「先生……」
「どうぞ。大した物は、出せませんが…」
そう言いお茶を出してくれた。
「あ、ありがとう。そうなの?」
お母さんは、驚いて聞き返してくる。