イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「お母さん!?」
「いや、そういう訳にも…」
先生も驚いていた。
まさか、母から夕食を作りたいと
申し出るとは、思わなかった。
「わざわざご自宅まで泊めてもらっているのに
何もしない訳にはいかないわ。
これぐらいさせて下さい。
涼花も手伝ってちょうだい」
「う、うん。分かったわ」
驚くも反射的に返事してしまう。
「…そうですか?すみません」
先生は、少し困った表情をしながらも
お礼を言った。
結局、私は、お母さんのお手伝いをする事に。
何でこうなってしまったのだろうか?
仕方がなく指示に従い茹でたジャガイモを潰す。
先生は、その間。
仕事をするために部屋に戻ってしまった。
睦月君は、何を作るのか興味があるのか
椅子に登りその光景をジッと見ていた。
必死に細かく潰していたら
睦月君が手を伸ばしてきた。
「おっと、もしかしてやりたいの?」
そう尋ねるとコクリと頷いてくる。
手伝いたいらしい。
するとお母さんが
「危ないから、やらしたらダメよ」と言われる。
手伝わせるには、難しい場合もある。
怪我や火傷をさせたら大変だから
「大丈夫よ。やれる範囲で手伝ってもらうから
じゃあ、睦月君。
こっちに来て手伝ってくれるかな?」
ニコッと微笑むと
テーブルの方に移動させる。
さっき潰していたジャガイモをやってもらう事に。
ボウルを私がしっかり持って
固定させ睦月君が小さな両手で道具を使い潰す。
グイグイと力を入れて一生懸命やってくれた。