イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

「お母さん……?」

急にどうしたのだろうか?

不思議に思っているとお茶を飲みながら

「さっき少しだけ蓮見先生と話をしたのよ。
奥様を亡くなっても大切にしているなんて
素敵な話よね」

そう言ってきた。

先生……。
お母さんに奥さんの事を話したんだ?

ズキッと胸が傷みだした。

それは、つまり……私との
関係を否定しているのと同じだから

「……うん。素敵よね」

私が間に入っていけないぐらいに
奥さんと先生の愛は深い。

「それだけではないわ。
ちゃんとあなたの事も考えているって事よ!」

えっ……?
どういう意味だろうか?

「どういう意味なの?お母さん」

私は、意味が分からずお母さんに尋ねる。
しかし

「さぁ……どういう意味かしらね。
本人に聞いてみるといいわ。
まぁ、とりあえず安心したわ」

お母さんは、ズズッとお茶を飲みながら言う。

えぇっ!?

「ちょっと……隠さないで教えてよ!?」

そう言うがクスッと笑い教えてくれないお母さん。
意地悪だ。

「さて、疲れたから私は、
そろそろ寝るとするわね。
お布団をあなたのベッドの隣に
敷いてくれたから…じゃあ、おやすみなさい」

それだけ言うと立ち上がり出て行ってしまった。

「ちょっ…お母さん!?」

余計に意味が分からないまま取り残された。

何だったのかしら?

< 49 / 257 >

この作品をシェア

pagetop