イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「えっ?どうしたのよ…急に」
「何となく気になって…どんな子だった?」
どんな風に育ったのだろうか?
自分の記憶だと曖昧だし…。
するとお母さんは、懐かしむように
「そうねぇ~今と同じよ。
とにかくそそっかしい子で、目を離すと
すぐに転んだり、何かにぶつかって泣いていたわ」
やっぱり…。
自分でもよく泣いていた記憶がある。
どうやらドジな性格は、生まれつきらしい。
「でもね…よく笑う子でもあったわ。
泣いたり、笑ったり本当に忙しい子で…お母さん。
いつも振り回されっぱなし…だけど嫌じゃないの」
「えっ……?」
お母さんの言葉に驚いた。
どうしてたくさん迷惑をかけているのに
嫌ではないのだろう?
するとお母さんは、
こちらを見ながらニコッと微笑んだ。
「涼花の行動は、自然と人を笑顔にさせる。
それに、母親ですもの。
自分の子を可愛いと思えるのは、当然よ!」
お母さん……。
「だから、あなたの好きなようにするといいわ。
あなたの人生だもの。後悔のしないようにね」
母の言葉は、優しく温かい。
そして、とても心強かった。
「……うん。」
ありがとう……お母さん。
その夜は、久しぶりにたくさん話をした。
こんなに話したのは、何年ぶりだろう…?
大人になるにつれ恥ずかしくて
あまり話さなくなった。
だから、とても新鮮で楽しかった。
結局眠るまでいろんな話をした。