イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「す、すみません」
反省をしつつ慌てて席に着いた。
するとお母さんが私用のトーストを持って来て
「それより涼花。
あなたは、今日仕事よね?」
「うん。午前中は、会社で仕事して
午後からこっちに戻って来るわ。お母さんは?」
普段、午前中は、出版社の下働きをしてから
先生の自宅に訪問の勤務スタイルだ。
「そう。私は、手続きがあるから出掛けるわ。
時間があるなら
ちょっとあなたに手続きの事で頼みたい事が
あったのだけど…仕方がないわね。
帰ってからでもいいわ」
「頼みたいこと…?」
「俺は、別に構わんぞ。
午後から他の出版社と打ち合わせがあるから
そっちに行け。
それと何なら睦月も一緒に連れて行ってくれ。
打ち合わせだと…退屈させてしまうから」
そう言ってくれた。
睦月君は、夏休みで幼稚園が休みだ。
「あ、はい。ありがとうございます。
睦月君。じゃあ、お昼から
お姉ちゃんと一緒に居ようか?」
そう尋ねるとコクリと頷いてくれた。
そして私は、仕事を終わらせると
午後からお母さんと睦月君と一緒に出掛けた。
「助かったわ。ありがとう……涼花」
「うん。別にこれぐらいいいわよ。
ねぇ、お母さん。この後どうするの?」
手続きは、マンションを借りるための
契約書の事だった。
前の自宅は、引き払ってしまったから
「そうねぇ~近くでお茶でもしてから
帰りましょうか?
早いと…お邪魔になるから」