イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「わ、悪さする奴は、私が許しません!!」
半べそになりながらも必死にリビングの中に入った。
傘を握り締めて
だが…あれ?
リビングの方は、明るくなっており
居たのは…先生と知らない男性だった。
しかもその男性は、ビールを片手に持って
先生にビビっていた。
「あれ……?これは……」
泥棒にしては…くつろいだ形跡があるような?
「ちょっと……藤崎…ストップ。
やめろ。ってか、彼女は…誰?」
しかし先生は、ギロッとその男性を睨み付け
「お前に話す筋合いはない。
覚悟しろ……大輔」
ホウキを投げ捨てボキバキッと指を鳴らした。
「ちょっ……待てよ!?
藤崎。親友だろう…俺達」
「こそ泥を親友に持った覚えはないが…?」
キレる先生。そして…。
えっと……?
状況が呑み込めない私は、唖然と見ていた。
何だったのかしら?これは……。
しばらくしてから
「はじめまして。
藤崎の高校からの同級生兼親友の浜野大輔です」
自己紹介をしてくれた。
「えっと…クローバ社で蓮見先生の担当編集者を
務めさせてもらっています。小野木涼花です。
あの……大丈夫ですか?」
恐る恐る名刺を出しながら尋ねた。