イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
そんなに質問したら…。
でも、何で見ない内から
浜野さんだと分かったのか私も気になった。
すると睦月君が
「靴で…分かった」と呟いた。
靴……?
「何で靴だけで俺だと分かったんだ?」
余計に意味が分からない。
そうしたら先生が理解したみたいで
「あぁ、そういうことか。」
納得したように頷いた。
えっ?
そのヒントだけで分かったの!?
「どういう事でしょうか?」
意味が分からない私が尋ねると先生は、
「大輔は、歩く時に靴をすり減らして歩く
癖があるんだよ。
靴のすり減り具合や泥の付き方で
お前だと判断したんだろ。
知り合いで、家に勝手に入り
そんな歩き方をするのお前だけだし
本物の泥棒なら、わざわざ靴なんて脱がないからな」
分りやすく説明をしてくれた。
あぁ、なるほど。
やっと意味を理解して納得する。
そんな少ないヒントで
誰か当てるなんて……睦月君凄いわ!!
「お前…凄いな!?
最後に会ったのまだ、3歳ぐらいだったのに
よくそんな細かい癖を覚えていたな!?
藤崎ではあるまいし」
そう嬉しそうに言いながら
睦月君の頭をクシャクシャと撫で回す浜野さん。
「す、凄い…凄いですね。睦月君」
私も感動をしてしまう。
名推理だわ。
もしかして睦月君は、天才なのかしら?
「コイツは、小さいから足元をよく見てたんだろ。
それより、お前…日本に戻ったって
海外の研修は、もういいのか?」
先生は、不満そうに質問した。
「あぁ、今年から少し遅れてだが
都内の大学病院の小児科で働く事になったんだ!」
ニカッと笑顔で応える浜野さん。
えっ?
大学病院の小児科…?って、まさか