イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
すると下着が入ったカゴをひょいと奪い取られる。
あっ!?
「これでいいんだな?
さっさと済ませて次に行くぞ」
そう言うと先生は、
カゴを持ったまま会計の方に行ってしまう。
「えっ?先生…」
慌てて追いかけるとカードで
済ませているではないか。
もしかして、買ってくれるの!?
店員から袋を受け取ると私に差し出して
「ほら。受け取れ」と言って渡された。
「あ、ありがとうございます。
あの…お金払います」
さすがに買って貰う訳にはいかないし。
「いらん。それより早く行くぞ。
居心地が悪くて仕方がない。」
先生は、ブツブツと文句を言いながら行ってしまう。
あれ?微妙に顔が赤くなっていたような…?
気のせい?
いや、それより
本当に買って貰ってもいいのだろうか?
彼女でもないのに申し訳ない気持ちになる。
「早くしろ」
「は、はい。」
私は、慌てて先生と睦月君の跡を追いかけた。
次に向かった先は、服売り場だった。
服は、何とか無事なのがあるから
着回しをしたら済むのだが?
しかし先生は、何着か選ぶと
私に差し出してきた。
「これとこれ。
ほら、さっさと試着して来い」