イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
お、おぶる!?
「いえ、じ、自分で歩けますから」
そんな……おぶってもらうなんてとんでもない。
お姫様抱っこされた時も恥ずかしかったのに
今思い出しただけでも身体中から火が出そうだ。
「いいから乗れ。歩けないんだろーが?
早く乗らないと置いて行くぞ」
そう言って怒られてしまった。
うっ……それも困る。
仕方がなく勇気を振り絞って先生の背中に乗った。
まだ、お姫様抱っこよりマシかもしれない。
荷物が置いてある場所まで行く。
タイミングよく泳ぐ前に
日陰がある場所を見つける事が出来ていた。
右足は、湿布をしてもらい
包帯で結んでもらった。
「……足……大丈夫?」
睦月君が心配そうに聞いてくれた。
「うん。少し痛むけど…大丈夫。
ありがとう。睦月君」
ニコッと笑顔で伝える。
しかし、すぐに先生に
「捻挫してる奴が大丈夫な訳がないだろーが」
鋭いツッコミを入れられる。
うっ……確かに。
先生は、呆れながらカバンからお重箱を取り出した。
お重箱の蓋を開けると美味しそうなお弁当が
唐揚げにタコさんウィンナーやおにぎりなどなど
彩りよく綺麗に並んでいる。
「うわぁー美味しそう」
「そりゃ、どーも。睦月
お前は、どれが食べたいんだ?」
どれが食べたいのかと聞くとすぐに指を指す睦月君。
先生は、それを紙皿に乗せていた。