甘い、あまい、甘い。
第一章 パパ、ごめんなさい。
椿真広なのです。
「……。」
沈黙。
ついにこの時がやってきてしまいました。
そう、あれです。こう、クイッと。
大人なら誰しも通る、はずの。
お酒のお付き合いです。
「憂鬱……。」
そうです、私は憂鬱なのです。
どうしてって……。
まず第一に、好き嫌いが多いのです。
お酒の席で食べれそうなものがあるかわかりません。
第二、こういう席はお持ち帰りがよくあるのです。
自分の身は自分で守らなくては……。
第三、パパの言いつけを守れない!
これが一番重大なのです!でも、飲まなくてはっ……。
私がここまで歯をむきだしで警戒しているのには私の味覚に問題があるのです。
辛いのダメ、苦いのダメ、そして炭酸ダメ。
……。お酒、カクテルかチューハイしか飲めないですよ。
その中から選び抜く……!まさに辛いことです。
パパに甘いお酒はダメって言われたのに……。
私だってグピッとビールを飲んでみたいです!!
「ひろちゃん?」
「はい……っ!?」
私の顔を覗き込む顔。
それにびくりと肩を揺らします。
ちょっとびっくりしました。
「なんですか?」
「いや、ひろちゃん、ぼーっとしてるから?飲んでないのに?」
私――、椿真広(つばきまひろ)のことをひろちゃんと呼ぶこの男性。
憎たらしいくらい。睫毛が長くて、ちょこんとした小さな鼻。くりりっとこちらを見据える大きな瞳。ぷっくらとした唇。
女の子ですかー!うがーっ!そう叫びたくなるくらいの、【女の子がこんなに可愛いわけがない!】と【だが男だ。】
あ、私は見ての通りヲタクです。そこまで広くないし、深くないのですよ?
でも妄想が全開で――。いえ、そうではなかったです。
女の子みたいな彼は、桃山葵(ももやまあおい)って、完璧女の子ですか、ぎゃぽー!と言いたいレベルなのです。
可愛い名前、容姿。どうすればいいのか。百合になればいいのか?
「?ひろちゃん?」
眉を垂れさせ、八の字にする桃山さん。
「あ、ごめんなさい、またぼーっとしてました、ちょっと考えてたので……すよ?」
特に間違ってはないかなと思いそう口にするのです。
沈黙。
ついにこの時がやってきてしまいました。
そう、あれです。こう、クイッと。
大人なら誰しも通る、はずの。
お酒のお付き合いです。
「憂鬱……。」
そうです、私は憂鬱なのです。
どうしてって……。
まず第一に、好き嫌いが多いのです。
お酒の席で食べれそうなものがあるかわかりません。
第二、こういう席はお持ち帰りがよくあるのです。
自分の身は自分で守らなくては……。
第三、パパの言いつけを守れない!
これが一番重大なのです!でも、飲まなくてはっ……。
私がここまで歯をむきだしで警戒しているのには私の味覚に問題があるのです。
辛いのダメ、苦いのダメ、そして炭酸ダメ。
……。お酒、カクテルかチューハイしか飲めないですよ。
その中から選び抜く……!まさに辛いことです。
パパに甘いお酒はダメって言われたのに……。
私だってグピッとビールを飲んでみたいです!!
「ひろちゃん?」
「はい……っ!?」
私の顔を覗き込む顔。
それにびくりと肩を揺らします。
ちょっとびっくりしました。
「なんですか?」
「いや、ひろちゃん、ぼーっとしてるから?飲んでないのに?」
私――、椿真広(つばきまひろ)のことをひろちゃんと呼ぶこの男性。
憎たらしいくらい。睫毛が長くて、ちょこんとした小さな鼻。くりりっとこちらを見据える大きな瞳。ぷっくらとした唇。
女の子ですかー!うがーっ!そう叫びたくなるくらいの、【女の子がこんなに可愛いわけがない!】と【だが男だ。】
あ、私は見ての通りヲタクです。そこまで広くないし、深くないのですよ?
でも妄想が全開で――。いえ、そうではなかったです。
女の子みたいな彼は、桃山葵(ももやまあおい)って、完璧女の子ですか、ぎゃぽー!と言いたいレベルなのです。
可愛い名前、容姿。どうすればいいのか。百合になればいいのか?
「?ひろちゃん?」
眉を垂れさせ、八の字にする桃山さん。
「あ、ごめんなさい、またぼーっとしてました、ちょっと考えてたので……すよ?」
特に間違ってはないかなと思いそう口にするのです。