*°春夏タチバナ*°
「私、もう秋くんのこと好きじゃないからね♪」
「……え??」
急に切り出されたことに戸惑ってしまう
「冬羽ちゃん、秋くんと私が話したりしていると、不安そうに見てるから…
私は秋くんのこともう好きじゃないよって安心してほしかったの♪
この間好きだったって言って振られたしね〜」
「あ、それ…き、聞こえちゃった…」
きっと、好きだった、でも振られて悲しかったはずなのに
こんなに明るく振る舞える京香ちゃんは本当にすごい
ついでに私が聞こえてたって言っても嫌な顔一つせず
満面の笑顔になった
「やっぱりあれ冬羽ちゃんだったかぁ♪
音したから冬羽ちゃんかなぁって♪
私は心から冬羽ちゃんの事応援してるよ♪
梨花姉も新しく彼氏出来てラブラブだし
秋くんとも今は普通に話してるから♪」
「そ、そうだったんだ…
おめでとうございますって伝えてて♪」
「うんっ!
梨花姉も頑張れって言ってたよ♪」
梨花さんのその言葉と
京香ちゃんの優しさに心がジーンとなった
優しすぎるよ
こうして気を使って何でも言ってくれて…
本当に京香ちゃんはいい人だ…
「じゃあ戻ろっか♪
頑張ってね冬羽ちゃん♪」
「うんっ!ありがとう♪」
京香ちゃんの気持ちが本当なら遠慮とかしたらきっと失礼だ
だから私はこれからもっと積極的になろうっ♪
とか、ちょっと意気込んでみた♪