*°春夏タチバナ*°
【冬羽side】
ふわふわと誰かに撫でられる感覚で目が覚めた
目が覚めた時にはふわふわと頭を撫でてくれていた手は止まってしまっていたけれど…
その手が秋くんだと言うことに気づくのにそう時間はかからなかった
「1回起きたのかな?」
相当苦しそうだったし…
もう、早退した方がいいと思うなぁ
そう考え、秋くんのベットから離れてカーテンを締めてあげると同時に
ガラッとドアを開けて夏那ちゃんと春翔くんが入ってきた
「あ、冬羽良くなったみたいだね♪」
「うん!大分よくなった♪」
「秋はどうだ?」
夏那ちゃんに微笑み返してから
春翔くんの質問に首を振ってみせる
「すごい熱だった…
苦しそうだから早退させた方がいいと思う…」
「やっぱりなぁ
新学期は神経使うから体調崩しやすいんだよ、こいつ」
「そうなの??」
確かに前も新学期始まってすぐくらいだったもんね
なんで神経を使うんだろう?
そんな疑問に気付いたように春翔くんは言葉を付け足してくれる
「女子から見られるだろ?
それはいつもだが、新学期は一気に告白とか舞い込んでくるし大変なんだよ
俺は適当だけど、その辺こいつちゃんとしてるからな」
「な、なるほど…」
「安心しろ
全部断ってるぞ」
「よ、よく私の不安に気付いたね…」
「顔に出すぎだからなー」
そんなに出ているのだろうか…
そんなことは置いといて、やっぱり秋くんはモテるんだ
今更感じることじゃないけど
彼女ができないのが不思議だよね
私が秋くんの彼女になれたらなぁ…
なんて、おこがましいですよね