*°春夏タチバナ*°




「そりゃもう、夜家に帰るとかまず無かったし
毎日毎日飽きもせず一人で喧嘩してた

寂しかったら女の子と一日だけの付き合いをしたり…ね」











そう言って少しだけ気まずそうに笑う秋くん



でもその時の秋くんは
1日だけの女の子に少なからず救われてたんだろうなぁ…











「まぁ、そんな俺のことなんてその時の母はどうでもよかったらしく、放っておかれてた

その時点で俺含めて8人弟妹いたから
父も家族支えるために必死で俺が帰ってきてないとかも気づいてなかったみたいだし」






「なるほど…」











それでやりたい放題だったわけだ…





秋くんにとっては好都合だったんだろうね











「学校に行っても授業は寝てたりサボったりの俺にしつこく話しかけてきたのが春翔

あいつ俺様じゃん?ジャイアニズムだし

だからすごい嫌いで、無視してたけどそれでも話しかけてくるんだよ

だから俺も諦めて少しずつ話すようになった」











春翔くんの話をした時の秋くんの顔はその時のこと思い出すみたいに楽しそうに笑っている





きっと本当にしつこかったんだろうなぁ











「まぁ、話していくうちにウザイだけじゃないのもわかって仲良くなった

喧嘩するのも2人で
何するにも2人でするようになったわけ

そうしてる時に他校だった梨花にコクられて
なんとなく付き合った」






「そ、そうだったんだね…」











梨花さん


私の知らない秋くんを知っていて
きっと秋くんを支えていた人




他校だったのにどうやって知り合ったのかはわからないけど
だいたい想像つくからいいや…





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