*°春夏タチバナ*°




「話してくれてありがとう♪」





「ううん、こちらこそ聞いてくれてありがと」











寝転がる私の横で座る秋くんに顔を覗かれて
私の顔に熱が集まっていく





好きだなぁ






きっと誰が何を言っても私は秋くんを嫌いになることはないだろうな



もしかしたらもっともっと好きになるかも…





秋くんの整った顔を眺めながらそう思っていると、秋くんがボソッと一言…











「もし俺が付き合ってって言ったら冬羽はどうする?」











って…





でもそれは聞こえるか聞こえないかくらいの声の大きさで

多分、秋くんの独り言だろう



その証拠に、何事もなかったかのように秋くんは立ち上がって私に手を差し出してくれた











「戻ろう
そろそろ行かなきゃ焼肉なくなっちゃう」





「あははっ!そうだねっ♪」











差し出された手に掴まって立ち上がり



すぐに離すと思った手は
手を繋いだまま、みんなのいるすぐ近くまでずっと繋いでいた







みんなに見られないように、すぐそばで離しちゃったけどね






秋くんが、どうして手を繋いでくれていたのか



そんなの全然わからなくても
いつか私にわかる日が来るといいな





今は焦らずゆっくりでいいや


そう、綺麗な星空の下で私は思った






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