*°春夏タチバナ*°




【秋side】




冬羽に昔のことを話してからは

何事もなかったかのように焼肉を食べてお風呂に入って

それぞれ男子は男子
女子は女子に分かれて部屋に入った




黒田は最後まで夏那と春翔を同じ部屋にしようとしてたけど
夏那が全力で拒否してまぁ、こういう部屋割りになったわけです











「あのクソバカあんなに否定しなくていいだろうによ!」






「それだけ滝が信用ない男ってことだろ〜」





「なんだと黒田」











そんなことを言ってじゃれる2人を尻目に
さっきの冬羽のことを思い出す




過去のことを話しても暗くならずにあんなにニッコリ笑ってくれる冬羽





そんな冬羽を急に自分のものにしたくなって

"もし俺が付き合ってって言ったら冬羽はどうする?"

なんて、独り言を言ってしまった







幸い聞こえてなかったから良かったものの…
手とか繋いじゃったし…




もうこれは確実に恋だ





認めたくなくても認めるしかないだろこんな…











「んで〜?立花は冬羽ちゃんとどうなんだよ〜」





「は…!?」











いま冬羽のことを考えていたから
読まれたのかと驚いてしまう











「だって、好きなんだろ〜?」





「……なんで」





「見りゃわかるよな〜!
あんまり夏那ちゃんにさえ積極的にかかわらないのに冬羽ちゃんにはめっちゃ関わるし〜」











え、マジでバレてる…?



この変人黒田に!?



自分でも意識してないうちに
冬羽を、特別扱いしてたってことか…





チラッと春翔を見ると
春翔もニヤニヤしながら俺を見てるし…











「あーあー、好きですよー
2人して気づいてたのかよ」











開き直るしかないわこんな


恥ずかしすぎる




人生初の片想いってか…?





片想いなのかね?

自意識過剰じゃないけど、冬羽は結構好きっていってくるから片想いって言わないのかなこれは





よくわからないけど、とりあえず初恋だ






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