*°春夏タチバナ*°
これ以上なにか聞かれると面倒だから
黒田の横腹をどついてみた
「そういうお前はどうなんだー?
好きな人とかいないわけ?」
俺が柄にもないことを聞いてみると
黒田は真剣に考え込む
「それがいないんだよ…
好きなやつ欲しいし、青春したいし
冬羽ちゃん、夏那ちゃん、京香ちゃんいい子だけど、loveじゃないし…
彼女じゃなくて好きなやつが欲しいんだよ〜」
「あ、そう」
黒田には恋愛は程遠そうだな
彼女じゃなくて好きなやつが欲しいとかさ
本当に変わってるし
まずこんな変人が恋したらどんななるのかは気になるけど
高校のうちに見れそうにないな
「さ、黒田の話なんて放っておいて寝ようぜ〜」
「そうだね」
春翔の言葉に頷いて
黒田の言葉を無視して眠った
眠る直前に "付き合えればいいな立花〜" と言った黒田の声が聞こえたけど
もう言葉を返す気力はなくて
そのまま深い眠りに落ちた