*°春夏タチバナ*°




待った待った

何言ってるの夏那ちゃん!




しかし私が焦っているのに全く気づいていない春翔くんも秋くんの肩に腕を回して賛成し始める











「いいじゃねーか!
別に友達だろ?!」











"友達" という部分を強調して春翔くんが言うから、うっと言葉に詰まってしまう




嫌じゃないの


好きな人が来るのにいやって人はいないと思うの





でも、でもさ!!?











「今日、家両親ともいるよっ!?」











そりゃ、両親には好きな人がいるのもバレてる
それに応援もしてくれてる



でも!でも絶対秋くんが嫌だよね!?




付き合ってもない女の両親に会うとか…





なんて私の心の声が春翔くんに届くはずもない











「行けよ秋!男だろ〜?
それに今さら女の家に上がるのなんて慣れたもんだろ」





「やめろよその言い方
そうじゃなくて、冬羽に迷惑だから」





「いいよな〜?冬羽!」











困る秋くんなんて気にせずに、春翔くんは私に話を振ってきた





夏那ちゃんの優しい見守りもあるし…
ど、どうしよう〜…











「り、両親いるけど…
そ、それでも秋くんがいいなら涼みに来て大丈夫…だよ?」











うん、こう言うしかなかったと思う





2人の活き活きした目を受けて
きっぱり断れるわけないもん…











「だってよ!秋〜、まさか断るわけねーよなー?」





「……わかった、お言葉に甘えさせてもらう
あと、春翔のそういうとこ嫌いだから」





「どうぞお好きに言ってくだせー」











春翔くんにそそのかされて(?)
秋くんが来ることになりました




秋くんから嫌いと言われたにも関わらず
普通の調子の春翔くんは本当、尊敬だよ






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