*°春夏タチバナ*°




「ちゃんと、目を開けて俺の目を見て聞いて?」











秋くんがそう言うと

私の頬は暖かい大きな手に包まれた











「秋くん…」











優しいその言葉と声につられて目を開ける




すると、私の視界には
月明かりに照らされていつもよりもっと優しく笑う秋くんが写った




なんだか、泣きそう…





目を見て振られたらきっと私立ち直れないのに…











「俺、冬羽みたいな人と初めて会った
何度もめげずに好意を伝えてくれてすごい優しい人」





「う、うんっ…」











めげたら負ける


きっとほかの誰かに取られちゃう


そう思って頑張ってたけど、意味なかったのかなぁ…?











「だから俺────






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