*°春夏タチバナ*°

文化祭実行委員





新学期



私と秋くんが一緒に教室に入ると
付き合ったってラインで教えていた夏那ちゃんと春翔くんが突撃してきた











「冬羽おめでとうっっっ♪
付き合えて本当に良かったねっっ♪」





「ありがとう夏那ちゃん〜♪
幸せすぎて怖いよっ!」











そう言ってアハハって笑う私と夏那ちゃん











「そろそろ付き合うと思ってたからなー
あの時家に行かせた俺に感謝しろ秋」





「いや、感謝とかしないから
でもまぁ、応援してくれたのはありがと」





「素直な秋くん素敵だなー!」





「お前から秋くんから呼ばれると気持ち悪い!
黙れ黙れー」











秋くんと春翔くんもそう言って楽しそうに話しているのがわかる




幸せだよ本当に…




私が付き合えて…最初は現実味なかったけど
前より距離が近いのでだんだん

"彼氏彼女" って自覚が芽生えだしたの











「おはよう冬羽ちゃん♪」





「おはよーさん、タチバナーズと春夏カップル〜」











私達が集まって話していると
京香ちゃんと黒田くんがヒョイッと現れた




そう言えば散々協力してもらったのに
京香ちゃんに言ってなかった…











「おはよう京香ちゃん♪
あのね、私とね秋くん…つ、付き合ったの!
本当に応援してくれてありがとうっ♪」











私が京香ちゃんにそう言うと
一瞬驚いたように目を見張ったが


すぐにすごい笑顔に変わってくれた









「おめでとう冬羽ちゃん〜〜〜♪
これは梨花姉にも報告だねっ♪」





「うんっ!本当にありがとうっ♪」











名波姉妹には感謝しかない


京香ちゃんも秋くんのこと好きだったのに
前のライバルが付き合ってもこうやって喜んでくれて






どうしてこんなに優しい人なんだろう…






そんなことをほのぼのーっと思ってはニヤけそうになっていると

さっきの京香ちゃんへの報告を聞いていた黒田くんがつまんなそうに机に頬杖をついた











「なんだ〜、俺だけ好きな人すら出来ないのか〜〜!
いいもんね〜〜タチバナカップルおめっと〜」





「ありがとう黒田くん♪」











相変わらず間延びした声で祝ってくれる黒田くんにもちゃんとお礼を言って

しばらくみんなで話していると

担任の先生がこれまた相変わらずやる気のなさそうに教室に入ってきた






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