*°春夏タチバナ*°
そして放課後
私と秋くんが一緒に帰っていると…
「冬羽せんぱーいっ!」
そう、私を呼ぶ声がした
私に後輩なんて1人しかいないから
振り返らずともわかるんだけどーーー
「冬貴くん♪今帰り??」
「はいっ!
冬羽先輩見かけて思わず駆け寄ってきました」
そう言ってエヘヘっと可愛らしく笑うのは
文化祭実行委員で同じの立野 冬貴くん
あれ以来よく懐いてくれて
見かけたらすぐに駆け寄ってきてくれる♪
本当に、可愛いよ
「お2人本当に仲いいんですね」
冬貴くんは私と秋くんを交互に見比べてそう言った
あ、付き合ってるって知らないんだよね
あんまりみんなに知られたら
私が何か言われるかもって言わないようにしてるけど…
いいかな?
そういう気持ちを込めて秋くんを見ると
"どうぞー"みたいな顔をされる
「私達付き合ってるんだよ♪」
「……………っ!!」
私の言葉を聞くと、固まってしまった冬貴くん
そんなに意外かな?
って、そんなに驚くほどお似合いじゃないみたいな!?
「……だ……嘘だ!?そんな…」
「冬貴くん?」
かわいい冬貴くんはそう言うと黙りこくってしまった
どうしたんだろう…