*°春夏タチバナ*°
やがて冬貴くんは、黙っていた顔を上げて私を見てきた
その顔はどことなく悲しそうな
でも、怖いようななんとも言えない顔
「先輩達は友達みたいですもん!
仲はいいですけど!」
「友達カップルってやつかな??
なんだか嬉しいなぁ♪ありがと♪」
冬貴くんがそんなことを思ってくれたなんて嬉しい♪
でも、そのなんとも言えない表情が気になるな
私がお礼を言ったら言ったで、きょとんって固まっちゃうし…
いったいどうしちゃったんだろう?
私が不思議に思いながら冬貴くんを見ていると
秋くんが呆れたように私を見てきた
「そういう意味じゃないと思うけど
冬貴くんだっけ?あんまり邪魔しないでね」
「っっ!!」
「バカでアホな冬羽には伝わってないけど
俺にはわかるから、余計なことは考えない方がいいよ」
秋くんのわけのわからない言葉に私はますます疑問が増えるばかり
でも、冬貴くんはわかったようで
悔しそうに少しの間秋くんと睨み合いをして
フッと顔ごと背けたのは冬貴くん
「じゃあ俺行きますから」
「え?あ、バイバイっ♪」
「……………………」
冬貴くんは初めて私のバイバイにバイバイと返してくれないまま走って行ってしまった
秋くんに聞こうと見上げたけど
聞くなオーラがすごくて結局わけわかりませんでした…
まぁ、二人共きっと機嫌が悪かったんだよね!
と、勝手に思い込んで
明日のことを計画立てた