*°春夏タチバナ*°
「よし、着いたぞ」
そうニカッと笑った春翔くんが連れてきてくれたのは、ここら辺で一番大きなデパート
確かに無難にここが一番いい所かもしれない
「まずどこ行く?
俺はどこでも楽しんでやるよ」
「俺も特に行きたいところはない」
「私もあんまりわからない…」
春翔くんと秋くん、私がそう言って夏那ちゃんを見ると
夏那ちゃんは困ったように目線をそらす
「え、えっと…前屋上でデートならしたことあるよ
芝生みたいになってて結構楽しいの♪」
夏那ちゃんのその言葉に一瞬目だけ春翔くんがピクッと眉を動かしたのが分かった
でも、私以外それに気付いた人はいないみたいで触れないけど…
春翔くんの事反応からすると
春翔くんとのデートで一緒に行ったわけではなさそうだね
「じゃあそこでいいじゃん」
「そ、そうだね♪」
わかっているのかわかっていないのか…
変わらない秋くんの同意に続いて私も同意したから
結局夏那ちゃんのオススメしてくれた屋上へと向かおうとした瞬間────