*°春夏タチバナ*°
「冬羽先輩っ!」
そんな少し大きな声を上げて、私に手を振りながら可愛らしく駆け寄ってきたのは冬貴くん
手を振りながら、笑顔でかけてくるとか…
可愛すぎるよ!
「冬貴くん♪
冬貴くんも買い物してたのー?」
「はい!友達と一緒に!」
「おお〜♪楽しそうだね♪」
チラッと冬貴くんの後ろを見ると
確かに男の子の集団がいる
多分お友達とはあの人たちのことだろう
そんなことを思いながら冬貴くんに視線を戻すと
冬貴くんは少し口を尖らせて私を見ていた
「俺とは遊んでくれないんですか?」
「え??」
「彼氏じゃなくて俺とも遊んでくださいよ」
そう言って拗ねている冬貴くんがなんとも可愛らしい
こんな可愛い後輩の頼みを断れる人がいるのだろうか?!
「そんなことないよ♪
今度一緒にどこか行こうか♪」
「ほんとですか!?
校内デートがいいです!」
「校内もいいね♪
可愛い後輩の頼みとあっては断れませぬっ!」
デートという言葉に少し引っかかったけど
気にせずそう言って笑うと、冬貴くんはますますムスーっと頬をふくらませた
「可愛い後輩じゃないです!
俺だって男なんですからねっ?」
「え??」
「それじゃあまた学校で!」
男の子ってのは知ってるけどなんてそんな事言ったんだろう?
そんなこと冬貴くんは教えてくれず
そのまま友達のところに戻っていってしまった