*°春夏タチバナ*°




ベンチに座ると夏那ちゃんがバックから弁当を取り出した











「じゃーんっ
私今お金なくてお昼買えないだろうって思って作ってきたの♪
一人分だから足りないかもだけど、みんな食べる?」





「夏那ちゃんの手作り!?
食べたい食べたいっ♪」











夏那ちゃんの手作り弁当食べたことないからすごく嬉しいっ♪



私がピョンピョン飛びながら夏那ちゃんのお弁当が開くのを待っていると

春翔くんからチョップされてしまった











「ばか冬羽!
そこは彼氏の俺が最初に食べるのが普通だろーが!」





「いたいっ!
そんなの誰が決めたの〜?!」





「今俺が決めたんだよ!」





「なんで〜〜っ
私だって夏那ちゃんの心友だもんっ♪」





「んなの関係ねーよ!」











なんて、私と春翔くんが言い合いをしていると
困ったように笑って止める夏那ちゃん











「くだらないことで喧嘩しないの〜!
ほら、二人にあげるから♪」











くだらなくはないけど…

これはかなり大切なことだったけど!!






でも、夏那ちゃんが両手で私と春翔くんに
卵焼きを同時にあーんのポーズを取るから

素直に口をあーんと開けた











「美味しいッッ♪」





「夏那家の卵焼きは甘い味なんだな」











そう、食べた瞬間口いっぱいに広がる甘さ



しょっぱい卵焼きより、甘い卵焼きが好きな私にはとても絶妙な味で大好き♪







私達2人の反応を見て、優しく笑う夏那ちゃんが本当に可愛いなぁって思う






私も今度デートの時秋くんに作ってみようかな…なんて





作ったことないのに無理だよねっ!







と、そんなことを考えていると
夏那ちゃんの後ろにふと、大きな影がかかった






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