*°春夏タチバナ*°




夏那ちゃんがデート台無しにしちゃったお礼と言うことで、帰りはそれぞれで帰ることにしてくれた♪





でも、やっぱりさっきの夏那ちゃんと秋くんのカップルらしさが頭から離れない…




私なんかより絶対可愛い人、綺麗な人いるのに


そう考え出した途端、秋くんの隣を歩くのが少しだけ怖くなっちゃった…













「さっきからどうして黙ってるんですかね?」










何を話していいかもわからなくて
沈黙のまま二人で歩いていると、痺れを切らしたように秋くんが少し笑って言ってきた





今はただ、その笑顔を見るのも
私じゃダメだとか考えちゃいます…











「な、何話そうかなって思っちゃって…」






「ふ〜ん?
なにかあるならはっきり言おうか」





「えっ?」





「隠し事は嫌い」











そんなに顔に出ていたのだろうか…?





秋くんは怒った様子ではなく
ただ話してほしいという感じだから話しやすくはあるけど…





でもそんなの言えない





嫉妬したなんて…
私よりいい人いるなんて…


そんなこと言えるわけないもん











「急に態度変わると、どうしていいかわかんないからさ?
怒ったりしないから言っていいよ」











なんでそんなに優しいの?



そう聞きたくなるくらい
話し方も声も何もかもが優しい






だからかな?
少し話してみようって思っちゃった











「夏那ちゃんとカップルに見えたの…
とてもお似合いだなって…でもそれがずっとモヤモヤしてて…」











恥ずかしながら、と言って話すと

秋くんはクスッと笑った






やっぱり呆れられたかな?





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