*°春夏タチバナ*°
そんなこんなで俺と冬貴が殺伐としたまま
買出しを終えると、琉弥さんがニコッと微笑んできた
その笑顔はちょっと、嫌な予感…
「じゃ、小腹が空いたしなんか食いにいくか」
「「え…」」
琉弥さんのその言葉に
一刻も早く冬貴と離れたい俺と
おそらく一刻も早く冬羽のところに行きたい冬貴は固まってしまった
「そんな寄り道したら琉弥先輩の彼女さん怒るんじゃないですか??」
「大丈夫大丈夫!
早く帰っても掃除の邪魔になるだろ」
「いや、でも!」
「いいからいくぞ冬貴!
秋も着いてこい!」
本当は行きたくないけど…
行きたくない感全開の冬貴を引っ張りながら
歩き出す琉弥さんに黙ってついていくことにした