*°春夏タチバナ*°
突然目の前に出てきた金髪不良少年(見た目が)
に驚いた様子の夏那ちゃんと由くん
まぁそれより、春翔くん本人が一番飛び出すつもりなかったから驚いてるんだけどね…
「秋てめー覚えとけよ」
「もう忘れちった
それに、彼氏なんだから正々堂々してればいいんだよ春翔」
「はっ、言われなくてもわかってるっつーの」
小声で二人がそんな会話をすると
春翔くんは真っ直ぐに夏那ちゃんと由くんを見つめた
もう、迷いなんてないかのような
強い意思のこもった目で
「夏那!何してやがる!
お前は俺のものだろーが!」
「えっ!?」
「由って言ったか?
お前も、自分から振った女にいつまでも引っ付いて女々しいんだよ!」
お!よく言ったよ春翔くん!
成長したねっ!
なんて思っていると…
────バチッ
と、非常階段の乾いた空気に
小気味いい音が響いた