*°春夏タチバナ*°




由くんがいったのを見計らって
春翔くんがグイッと夏那ちゃんに詰め寄った











「そんで?そこまで言うなら嫌わねーけど
あいつとここで何してたんだ?」






「えっと、春翔がたこ焼き買いに行ってる間に先輩とはぐれたって言う由と会って
それで話してたら、より戻そうって言われた」











夏那ちゃんがおそらく正直に説明すると

春翔くんはにやっと笑う











「ほーほー、よくも俺にビンタしやがったな
どうなるか分かってんだろーなー?」











そう黒い笑みを浮かべながら笑う春翔くんに

さすがの夏那ちゃんもヤバイと思ったようで
少し後ずさる




けど、すぐにそんな距離なんて詰められて
春翔くんは夏那ちゃんの片手は頭に、片手は肩にのせ


顔をぐっと近づけた




もしかして殴ったりするんじゃないだろうか?




そう思うくらい、春翔くんの黒い笑みは怖い











「な、なにするつもり…?」





「それは、お前に仕返しすんだよ」











殴られるっ!





そう思うと同時に春翔くんと夏那ちゃんは…



キスをしました!!





殴られなかったのは良かったけど…
その…見てるこっちが恥ずかしいッ











「は、はるとっ」





「だまれ」











そう言うとまたしても深い深いキスを落とす春翔くん




どうしよう…





どうしていいかわからない私は、思わず秋くんの後ろに隠れてしまった


そんな私の頭をフワフワと優しくなでてくれる秋くん











「そろそろ戻ろうか
休憩時間長く取りすぎたね」





「う、うんっ!
春翔くん達も二人きりがいいだろうしね…♪」





「だね
なにより、あんなの見たくないわ」





「あははっ
仲直りしたみたいでよかった♪」











秋くんが見たくないというのもわかる





そんなことを話しながら、手を繋いで私達はクッキー係に戻った







夏那ちゃんと春翔くんのモヤモヤも解けたみたいだし



秋くんとは、初チューしちゃったし





忙しかったけど楽しかった♪







そんなこんな
ドタバタしていた文化祭は無事幕を閉じた






< 196 / 284 >

この作品をシェア

pagetop