*°春夏タチバナ*°




「お前がほいほいイケメンなんかと遊ぼうとしやがって!
だから嫌なんだよ女は!!」





「え…」











こんなに怒っている由は初めて見た


すごく、怖い…

でもこうさせてしまったのも私のせいだと考えると

本当に取り返しがつかないことをした気分…











「どうせお前と仲いい女も立花がかっこいいから付き合ったんだろうよ!
お前もそうなんだろ!
俺なんて捨てて幸せそうにしやがって」





「冬羽のこと悪く言わないで!
何も知らないのに、冬羽の努力も知らないのに言わないで!
私は顔で付き合ったりしないよ」











私がそう言うと、由はどんどん苦しそうな表情に変わっていく











「俺はお前のこと許さない
俺がこうなったのも全部お前のせいだ…」





「由…」











いうだけ言ってうつむいた由は
今にも消えてしまいそうで…



気づくと私は由を抱きしめていた











「ごめんね由…
謝っても許されないだろうけどごめん…
由が立ち直るまでできる限りのことはするから言って?」










私がそう言うと、由はギュッと抱きしめ返してきた











「俺はお前に帰ってきてほしい
夏那がいてくれるだけでいいんだ」











その言葉は表情は見えないけどとても震えていて

聞いているこっちまで切なくなった






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