*°春夏タチバナ*°
春翔くんが行った方を見て
どうしたものかと考えていると
秋くんが由くんの胸ぐらを掴んだ
「お前何言ってくれてんだよ!
あいつはプライド高いから助けられてるとか嫌なんだよ!!
あいつに言ったら裏で守ってた俺の意味が無いだろ!」
そう、秋くんは大声で由くんに怒鳴った
秋くんがこんなに感情的になるなんて…
相当春翔くんを大切に思ってるんだろうな…
でも、怒鳴られた由くんは
案の定反省した様子なんてなくヘラっと笑う
「立花はもっとみんなに慕われるべきだ
滝なんて放っとけよ」
「は?あんたに何がわかんの?
よく知りもしないで余計な事言うなよ」
「はー、ほんと、立花は損してるねー」
「チッ…」
由くんの減らず口に秋くんはあからさまに腹を立てて
教室に戻ってしまった
いったいこれは…どうしたら…
「見たか?夏那
お前のせいであいつらの素晴らしい友情も壊れるかもなー」
「っ!?
わ、私のせい…?」
「そーだろ
お前が俺を捨てたから悪いんだよ」
由くんはそういうが早いか、そそくさと教室に戻った
残された私と夏那ちゃん…
ちらっと夏那ちゃんを見ると
すごく思いつめたような顔をしていた
こういう時ってどう声をかけたらいいんだろう?
あー…何も言葉が出てこないよ…
私の気の利かない脳みそを憎んでいると……
「あれ?冬羽先輩?どうしたんですか廊下で」
「ふ、冬貴くん…」
告白以来普通に接してくれている冬貴くんが話しかけてきた
まぁ…
何してるのかって疑問にも思うよねそりゃ