*°春夏タチバナ*°

浮気





夏那ちゃんと春翔くんの喧嘩から1ヶ月




2人は目を合わせることもしゃべることもなくなった



ついでに言うと、秋くんも春翔くんから避けられている





相当プライドが許さなかったんだろう…











「秋くん、大丈夫?」











放課後、いつものように秋くんから春翔くんを一緒に帰るように誘ったけど


無視して春翔くんが帰ってしまったから思わずそう聞いた





だってやっぱりどことなく寂しそうなんだもん秋くん…











「まぁ、仕方ないよね
アイツプライド高いから俺から守られてたなんて嫌なんだろう」





「だからって避けなくても…」





「大丈夫、ありがとう冬羽」





「う、うん…」











大丈夫なんて…大丈夫じゃないくせに



秋くんも自分で抱え込むくせあるもんなぁ…
結局夏那ちゃんも何考えてるかわからないし…




今は由くんと秋くんが一緒にいるという
謎のメンツになってるし…





春翔くんと黒田くんというまた謎なメンツだし





そうやって分かれるんじゃなくて
みんなで仲良くしたらいいのに…





なんて思ってても言えないわけで…
なんだかんだ私もモヤモヤしてたりするんだよね…











「あ、橘!話したいことあるからいい?」





「え??」











秋くんと帰ろうとしていたところで呼び止めてきたのは由くん




タチバナって…どっち??




由くん私と秋くんどっちも苗字で呼ぶかはわかんないんだよね…











「あー、橘冬羽ね
彼女借りてもいい?立花」





「どうぞー
じゃあ俺先帰ってるから」





「あ、うん!
また明日ね秋くん♪」











そしてテクテクと歩いていく秋くんの後ろ姿がやっぱりどこか元気がないように見えたり…





って、由くんが私に話があるって珍しいなぁ











「教室入ろう」





「え、あ、うん」











由くんは春翔くんと夏那ちゃんには酷いけど
私と秋くんには普通にみんなと同じように優しい






けど、夏那ちゃんのことがあるから
やっぱりちょっと警戒しちゃう…






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