*°春夏タチバナ*°
「ありがとう♪」
「冬羽先輩のためなら余裕のよっちゃんですよ」
ちょっと余裕のよっちゃんって古い気がするけど
そんな所もまぁ冬貴くんらしい
「ありがとう♪」
「いいえ!
せっかくですし一緒に帰りましょ」
「うん!帰ろ帰ろ♪」
冬貴くんのおかげで少し心の霧が晴れた
っていったらなんか、冬貴くん利用してるみたい?
なんて考えているのが顔に出たのか
冬貴くんが私の頭をコツっと指で押してきた
「あ、冬羽先輩ーー?
秋先輩のこと、怒っていいってことですからね?
それで万が一悪いことになったら相談してください!何でも聞きますよ!
ってことですよ?」
「えっ!?」
「顔に、出てました」
ですよね…
なんでこんなにすぐ顔に出るんだろう…
でも、冬貴くんがこう言ってくれるんだもん
怒ったりしてみてもいいよね?
「冬貴くんは優しいね♪」
「冬羽先輩だからですよ」
「ありがとう♪」
1度振ったのに、それでもこうして側にいてくれる冬貴くんは本当に優しいな
そう、冬貴くんの優しさが
曇った私の心に染み渡っていった