*°春夏タチバナ*°
翌日
結局今日秋くんと顔を合わせるのは気まずくて
全然合わせていない
その間に私と秋くんが別れたという噂が飛び交っているのも聞こえてきている
噂って回るの本当に早いよね
「冬羽!噂本当じゃないよね?
昨日のはただの喧嘩だよね??」
私が帰ろうと準備していると
夏那ちゃんがそう話しかけてきた
なんかもう、やだなぁ…
「夏那ちゃんは人の事心配してる場合じゃないでしょ?
由くんの言いなりになってるって聞いたよ」
「そ、それは…」
「春翔くんと別れてもないのに
そんな事されたらやっぱり嫌だと思う」
私はなんだかむっとしちゃって夏那ちゃんにそう言うと、困ったような顔になる夏那ちゃん
あーあ、なんで私達こんななったんだろう
あんなに仲良くて
あんなに楽しかったのに…
春翔くんは最近じゃイライラしてて
秋くんもモヤモヤしてて
夏那ちゃんは由くんの言いなりで
そんなの誰が喜ぶんだろう…
「浮気はよくないよ」
私は夏那ちゃんに最後にそう告げて教室を出た
今は少しだけ春翔くんの気持ちがわかるから
たとえどんな事情があっても
浮気してるみたいなことされたら嫌だよね
そんな事をひとりで考えながら玄関に行くと
外は大雨…
「傘…持ってきてないのに…」
夏那ちゃんとも少し気まずくなっちゃったし
もういいや、濡れて帰ろう