*°春夏タチバナ*°




「私は冬貴くんに入れてもらうよ
バイバイ秋くん」











私はわざと冬貴くんの手を引っ張って
秋くんにそう言った






苦しい




今喉のところがぎゅーって苦しくなった






本当は秋くんと帰りたいよ



引き止めて…





私は言ったことと真逆のことを考える






お願い引き止めて────











「そっか、わかった
じゃあね冬羽」





「………」











私の思いは届かず秋くんはそう言うとすぐに私を置いて帰ってしまった






秋くん、あなたは今どう思ってますか?











「と、冬羽先輩?」





「い、いこっ!!早く帰ろう」











心配してくれる冬貴くんの手を引っ張り




二人で同じ傘に入って歩き始める






秋くん…





私はなんであんな事言ったんだろう…






なんであの時浮気のこと話したんだろう?







私が知らないふりしてたら…
こんなことにならなかったのに…




そんな後悔が私を埋め尽くす











「先輩、泣くなら素直に秋先輩と帰ればよかったんですよ?」






「………ごめんね…」











後悔しては涙がこぼれて




雨のおかげで冬貴くん以外にはバレてないけど








この後悔の涙はいつか消えることがあるかな?






これから私はどう、なにを、選択したらいいんだろう…






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