*°春夏タチバナ*°
春夏秋冬>>3度目の夏
動き出す思い
【冬羽side】
私達春夏秋冬組が
それぞれに関わらなくなって季節は変わり
私達が出会って3度目の夏
もう出会って3年目
そしてもう半年で私達は卒業するんだ
でも、私はこんな状況で卒業なんてしたくないんだけどね…
「じゃあ今日は文化祭の今年から始まるミスターとミスに出る人を決めるぞー」
ホームルームの時間、先生がそういった
毎年遅い受験勉強の邪魔になる時期に文化祭に苦情がきて、去年の合格率が下がったから
今年はこの早い夏の時期に文化祭をすることになったのだ
そして何故か、学校1カッコイイorカワイイを決めるコンテストまで開かれることに…
絶対いらないでしょそれ…
って思うのは私だけなのだろうか
「はぁーこんなめんどくせーこと決める意味ないっつーの」
あ、先生私と同じこと思ってる
先生はそう文句をブツブツ言いながらも
クラス中を見渡す
そして、にやっと笑うと黒板になにやら書き始めた
「男子は立花秋とー、滝春翔っと
女子は名波京香とー、竹内夏那っと」
候補の欄にそう書くと
またクラス中を見渡す
まるで早くどっちが出るか決めろとでも言うように…
すると、書き出された春翔くんと秋くんは同時に立ち上がった
「ふざけんなよ!俺は絶対でねーぞ!!
カッコイーイ立花がでろよ!」
「……俺だって嫌だよ
こういうの嫌いってお前が一番知ってんじゃないの」
「知らねーな!お前のことなんて何も」
突如始まった喧嘩?
にクラスのみんなは驚く
あんなに仲良かったのに…
立花じゃなくて秋って言ってあげてよ春翔くん
突き放された秋くんは
やっぱり悲しそうにうつむく
女子は、何かを察したように
京香ちゃんが立ち上がるとニコッと微笑んだ
「夏那はこういうのあんまり得意じゃないので
女子は私がしますよ♪」
「おー、女子は素直じゃねーか
お前らも喧嘩してねーでさっさと決めろー」
先生はのんきにそんなことを言うけど
京香ちゃんと夏那ちゃん、どっちかって言うとこういうのが苦手なのは京香ちゃんだよ
夏那ちゃんが最近思いつめた顔をしてるからきっと変わってくれたんだろうな…
優しいな京香ちゃん