*°春夏タチバナ*°
どうやって黒田くんは2人を別行動させるのか見ていると
真っ先に秋くんの肩を叩いた
「立花ー、トイレついてきてー」
「は?ひとりで行けるでしょ」
「さびしーいー」
まさかの連れション作戦ですか
いつも一緒に行ってるならまだしも
今日だけそんな言われたら誰だって変に思うよ黒田くん
案の定秋くんは不審そうに
春翔は"寂しがり屋か!"って笑ってる
「俺は毎日立花と一緒に行きたいと思ってたんだぞー」
「なにそれ、気持ち悪い事言うなよー」
「とにかく来てーー」
と、黒田くんは嫌がる秋くんを無理やり連れて
本当にトイレに行ってしまった
「秋!黒田のラブコール優しく受け取れよー!」
「うるさいな春翔」
それを見ながら春翔は笑って見送りしてるし…
黒田くんは去り際に目で合図してくれた
本当に変だけどいい人だ
よし、このチャンスを逃しちゃダメだ!
私は1人になってケータイをいじっている春翔のところに歩み寄る
「は、春翔…
ちょっと話さない…?」
「…夏那か」
春翔はチラッと私を見ると
すぐにケータイに目を戻してしまった