*°春夏タチバナ*°
「はっきりしろよ冬羽
曖昧な態度はどっちも傷つけて自分も傷つくぞ」
「…え?」
春翔くんは私に一言そう言うと
そっぽを向いてしまった
わかってる
結局秋くんの話も怖くて聞けなくて
冬貴くんをはっきり拒絶することが出来なくて
このままでいいわけないのはわかるけど
でも…割り切れない気持ちがあるんだよ…
「冬羽、大丈夫??
とりあえずさ、ミスとミスター見に来てね?」
「なんで??」
「いいから!絶対ね」
なんでだろう…
私は秋くんと例の1年の美人さんが並ぶの見たくないのに…
って、その子が出てるともわからないし
2人がミスとミスターになるなんてのもわからないんだけどさ…
「じゃあ楽しんでね冬羽♪」
「うん!夏那ちゃんもね♪」
「ミスとミスター絶対だよー!
じゃあまた後でっ!」
夏那ちゃんはそう笑いながら
まだ何か言いたげな春翔くんを無理やり連れて行ってしまった
そうか、ちゃんと決意が必要だよね
夏那ちゃんも決意して
由くん突き放して春翔くんと幸せ取り戻したんだもんね
「冬羽先輩?大丈夫ですか?」
私がぼーっと2人が行った方を見ていると
冬貴くんが顔をのぞき込んできた
何やってるんだ私は
可愛い後輩に心配かけてばかりで
そろそろ私も何とかしなくちゃいけないな