*°春夏タチバナ*°
「冬羽先輩、どこに行きますか?」
「んー、クレープとか食べたいな♪」
「いいですね!
いっぱい食べ物食べたいです!」
まぁとにかく今は
難しいことは考えずに、冬貴くんと思いっきり楽しもう
「お2人仲直りしたんですね」
「春翔くんと夏那ちゃん??」
「はい、よかったですね」
「うん!ほんとうによかった♪」
私がそう言って笑いかけると
冬貴くんはいつもみたいにとても優しげに
でもいつもとは違うどこか寂しげな笑顔を見せた
まさかあそこまでこじれていた2人が
1日で元通りになるなんて…
すごく嬉しいけど
私はすごく焦るなぁ
あれだけみんなに、ビンタして怒ったのに
自分はいまだにって…
呆れて笑いが出てくるよ
「先輩、笑顔ですよ」
「えっ!?」
「先輩は笑顔が似合うんですから」
「あ、ありがとう」
なんだか今日の冬貴くんはおかしい気がする
そんな気持ちを抱えたまま
文化祭を楽しむことにした