*°春夏タチバナ*°




どうしたものかと考えて
結果なんて出ないまま



ミスとミスターの時間であり
約束の時間の2時になってしまった











「秋…くん…」











私は秋くんが好きだもの



その気持ちを冬貴くんに伝えて
そそくさと立ち去ればいいよね




そしたら秋くんと一年の美人さんのツーショット見なくていいもんね




ってほらまた…
2人がミスとミスターになるなんて決まってないのにー…











「よし、行こう」











大丈夫、大丈夫



私が恐れることはなに??
何にもないじゃん





冬貴くんをふって




秋くんに思いを伝える
もしふられたら泣いて


もしあれが誤解なら笑顔





ただそれだけの事じゃん






私はそう言い聞かせながら
ミスとミスターの発表場所である校庭に移動する






まぁでも人が多すぎて
なかなか冬貴くんと合流するのすら困難なんだけど…






とりあえず冬貴くんに連絡しようかとケータイを持ったその時────











「冬羽」











突如後ろから聞こえたその愛しい声は……











「秋くん……」






< 261 / 284 >

この作品をシェア

pagetop