*°春夏タチバナ*°
どうしたものかと考えて
結果なんて出ないまま
ミスとミスターの時間であり
約束の時間の2時になってしまった
「秋…くん…」
私は秋くんが好きだもの
その気持ちを冬貴くんに伝えて
そそくさと立ち去ればいいよね
そしたら秋くんと一年の美人さんのツーショット見なくていいもんね
ってほらまた…
2人がミスとミスターになるなんて決まってないのにー…
「よし、行こう」
大丈夫、大丈夫
私が恐れることはなに??
何にもないじゃん
冬貴くんをふって
秋くんに思いを伝える
もしふられたら泣いて
もしあれが誤解なら笑顔
ただそれだけの事じゃん
私はそう言い聞かせながら
ミスとミスターの発表場所である校庭に移動する
まぁでも人が多すぎて
なかなか冬貴くんと合流するのすら困難なんだけど…
とりあえず冬貴くんに連絡しようかとケータイを持ったその時────
「冬羽」
突如後ろから聞こえたその愛しい声は……
「秋くん……」