*°春夏タチバナ*°
「おーっと残念、振られてしまいましたー」
司会者のその言葉は言わない方が良かったと思ったりしますよ…
そして次は大体予想はついてるけど
1位の発表
「さて!最後に皆様お待ちかね!
記念すべき初ミスとミスター1位に輝いた2人はーーー!!こちらの2人です!」
司会の人がそう言うと
パンっと輝くスポットライトに照らされた
秋くんと1年の美人さんが出てきた
「ミスの1位!1年B組の田中 琴子(タナカ コトコ)さんですっ!
そしてミスターの1位は3年C組の立花秋さんですー!」
その言葉と同時に女子の悲鳴がどっと聞こえてきた
"秋くーーん♡"
とか
"秋先ぱーい♡"
とか
"秋様ーー♡"
とか
これはもう宗教ですか?
くらいのレベルでの悲鳴
その中には当然"付き合ってー♪"とかいう言葉も飛び交ってたりして
複雑な気持ちになります
「ではミスの田中琴子さんから一言ー!」
「投票してくれてありがとう!
えっと、私達付き合ってまーす♪」
そう言うと、1年の美人さんこと田中琴子ちゃんは秋くんの腕に自分の腕を絡めた
その瞬間、会場から悲鳴や泣くような声が聞こえてくる
もちろん、私の目からも涙が出そうになります
「ちょ、大丈夫?冬羽」
「だ、大丈夫だよ…
少し分かってたことだから」
心配してくれる夏那ちゃんにもそう強がってしまう
だって強がらなくちゃ
泣き崩れそうなんだもん