*°春夏タチバナ*°
【冬羽side】
私がまた秋くんと2人先生に呼び出され
長い長い説教から開放されて、ケータイを見ると
夏那ちゃんから先に帰ると連絡が来ていた
先生が長々と説教するから!
なんて少し心の中で文句を言ってみる
まぁ、そもそもは自分が悪いわけですし…
呼び出された理由は成績のこと
このクラスで特に目立って悪いのが私と秋くんだから呼び出されたのだ
秋くんは白紙で解答用紙を出してもちろん持ち点なし
私はギリギリ赤点ではないライン
他にもいそうなものを…
ついでにちょこっと雑用させられたし…
とりあえず荷物を取りに教室に戻ると
春翔くんが座っていた
珍しいなぁ
「春翔いたんだ」
「おー、待っててやったんだよ」
秋くんはそれを聞いて、ニンマリと笑う
「なんで待ってたの?」
「お前を待つため」
「夏那がいたからの間違いでしょ」
「は?」
夏那ちゃんがいたから待ってた?
どういうことだろう?
春翔くんも私と同じことを思ったのか
疑問マークを頭の上にのせている
「春翔本当に気づいてないつもり?」
「何がだよ!」
春翔くんは少しイラッとしたようで
キレ気味に怒ると
秋くんは爽やかに微笑んだ
「夏那が好きだってことに」