*°春夏タチバナ*°
目が合うと、ニヤッと笑った春翔くんが
私の耳元に近づいてきた
そして…
「秋のこと好きだろ?」
そう、囁かれた
ば、バレてる…
私そんなにわかりやすいのかな?
で、でもここでバレるわけには行かないっ!
万が一にも秋くんの耳に届いたら大変なことになるもんね
「ち、違うよ〜っ
た、ただの友達だよ♪」
私がそう言うと、春翔くんは呆れたように笑う
「別に俺は言わねーけど
まぁ、冬羽はかなり仲いいと思うぞ
あの京香とかいうやつもな」
「え、あ、そうだよね…」
一瞬かなり仲いいと思うと言われて喜んだけど
京香ちゃんの名前に落ち込んでしまう
ダメだなぁこんなんで…
私そんなに落ち込む方じゃないけど
なんで秋くんや京香ちゃんのことになると…
「その様子なら噂知ってんのか?」
「あ、告白して振られたら…ってやつ??」
「そうそう、それ」
知ってるよ
話してくれなくなるんだよね
そんなの嫌だ
でもだからって逃げるの?
って、思うところもある
そんな私の心の中をわかったように
春翔くんは私の頭をポンポンと撫でた
「話してくれなくなったら必要以上に話しかけりゃいいんだよ
俺だってそうだったぜ?」
「え??」
俺だってそうだったぜ????
とは、どういうことだろうか