*°春夏タチバナ*°
翌日
私が学校に行くと、ヒソヒソ話す声が聞こえてきた
「あの人あの人〜」
「あんな可愛い人でも振られたの?」
「秋くんと仲良かったよね〜?」
まぁ、そんな感じで
噂とは回るのが早いものです
いいけどね、気にしないから〜
そんなことより怖いのは
秋くんから無視されたり、話せなくなること
そう考えて不安になりながら教室のドアを開けると、みんなからの視線が……痛いです
「冬羽っ!!
ちょっと来てっ?」
「俺もついていく」
「えっ!?
どうしたの夏那ちゃん、春翔くん?!」
ドアを開けるなり夏那ちゃんと春翔くんは私の腕を引っ張って廊下の隅に連れ出す
その顔は真剣そのもので
少しだけびびってしまう…
「告白したってホント?」
びびっていると
夏那ちゃんがドストレートに聞いてきた
いやぁ、本当噂は回るのが早いなぁ…
「うん、しちゃった…」
「んで?これからお前どうすんの?」
春翔くんはそう真剣に聞いてきた
どうする、とは
多分話しかけたりするかしないか
ってことだよね…
私は話しかけたいよ…でも…
「話しかけられて無視されたら凹みそうだよ〜」
そんなに凹む方じゃなくても
好きな人からシカトされたら凹むよ流石に
でも、このままでもダメって言うのはわかってる
春翔くんは私の考えがまとまるまで待ってくれるのか
黙って私を見つめている
どうせ好きってバレたなら…
話しかけるのもありかな?
それで好きになってもらえたら嬉しいし
ダメでも、他の人とは違うんだよってことが伝わればいいなぁ…
そのためだったら動かなくちゃだよね…
「私あきらめないよ♪
初めての恋だもの!何もわからないからできるだけのことはしてみる♪」
わからないことばかりで
みんなどうやって恋しているのかわからないけど
でも、私なりに頑張るんだ
そう伝えると2人ともニッコリ笑ってくれた
「何でも言っていいからね♪」
「秋のことは任せろ!」
「ありがとう2人とも♪」
大丈夫、私にはこんなに心強い見方がいるからね♪